家族の“絆”は、
自分で選んだ方が強いのかもしれない。
亡くなった親の年金を不正に受給し続けていたとある家族の事件から着想を得て、
是枝裕和監督が10年かけて構想を練り製作した映画です。
そして第71回カンヌ国際映画祭の最高賞である、
パルム・ドールを獲得し、話題となりました。
そんな映画「万引き家族」についてイラストで分かりやすく紹介します!
- キャストの名前と役名を知りたい!
- 監督の他の作品を知りたい!
Contents
基本情報 & あらすじ
現題:万引き家族
監督:是枝 裕和
脚本:是枝 裕和
国 :日本
公開:2018年6月8日(日)
時間:120分
音楽:細野 晴臣
あらすじ_
高層マンションの谷間にポツンと取り残された今にも壊れそうな平屋に、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人が転がり込んで暮らしている。
彼らの目当ては、この家の持ち主である祖母・初枝の年金だ。足りない生活費は、万引きで稼いでいた。社会という海の底を這うような家族だが、なぜかいつも笑いが絶えず、互いに口は悪いが仲よく暮らしていた。冬のある日、近隣の団地の廊下で震えていた幼い女の子・ゆりを、見かねた治が家に連れ帰る。体中傷だらけの彼女の境遇を思いやり、信代は娘として育てることにする。だが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく……。
出典元
登場人物 & 相関図
ボーイ
まず感じたのは出演されている方々の演技力の高さで、とても生々しさがありました。
集まった柴田家の家族は、本当の家族がいるのにそこには居場所がなく、それぞれ孤独を抱えていました。
本当の家族は血は繋がっているのに、絆はないと言った状態。
りんの両親も、翔太の両親も、子供の世話はせずに放置していました。
血が繋がっているからといって、それが全てなのでしょうか。
ただ、もちろん万引きをさせるのも学校に行かせないのも立派な虐待ではありますが。
「子どもにはね、母親が必要なんですよ」と宮部に言われた信代が答えた、
「母親がそう思いたいだけでしょ。生んだらみんな母親になんの?」という言葉が、ボクにはとても突き刺さりました。
事件が発覚し、それぞれが真実を知っていく後半。
事件後のことも描写されていて、辛いものがありました。
それは、そろれぞれの今後の明暗が分かれていたからです。
翔太は施設に引き取られ、まるでスポンジが水を吸うようにぐんぐんと知識を吸収していき、信代は自分たちでは翔太の親になれないことを悟ります。亜紀は本当の家族の元に帰ったかもしれませんが、心を通じ合わせた4番さんともしかしたら会えていて心の拠り所を見つけたかしれません。これはただの憶測ですが。
りんは本当の家族の元に帰りますが、再び虐待に合っています。最悪な結末です。ですが、もしかしたらりんを見かねた近所の人が通報してくれて施設に入れるかもしれない。誰かが助けてくれるかもしれない。まだ5歳のりんには、良くも悪くもまだ未来があります。
その一方、治は成長するには将来を期待するには遅すぎました。
人一倍「家族」というものに憧れていた治ですが、結局「父親」になることはできませんでした。それはきっと”普通の家族の親”というものの本質を知らなかったからだと思います。虐待をされて育って周りから助けてもらえなかった子供はやがて大人になり、結局虐待の連鎖をしてしまうことは多いです。なぜなら、その環境しか知らないから。
普通のおじさんになった治は、翔太と会うことはないかもしれませんし、会ったとしても今後どんどん成長し続ける翔太とはきっと話が合わなくなることでしょう。年齢も年齢ですから、これから人生がとても良い方向へ変わっていく希望もとても低いです。
「万引きしか教えられるものがなかった」と言う治に、これから何ができるのでしょうか。そんなことを考えてしまったら、とても悲しくなってしまったのでした。
出演者一覧
柴田家
柴田 治 役
リリー・フランキーの経歴は?👤
1963年11月4日 日本福岡県北九州市小倉出身。
俳優・イラストレーター・放送作家・エッセイスト・ライター、ミュージシャン・作詞家・作曲家・ラジオパーソナリティー・デザイナー・フォトグラファー・アートディレクター・絵本作家・小説家。
高校生から一人暮らしをし、武蔵野美術大学を卒業。様々な方面で活躍している。2001年『盲獣vs一寸法師』で俳優デビュー。
リリー・フランキーの役柄は?🍿
柴田家の父で信代の夫、治(おさむ)を演じています。
日雇い労働者。スーパーで万引きをした後に、寒い中外に出されているゆりを見つけ、柴田家に連れて帰ります。
「お店にあるものは、まだ誰のものでもない」と祥太に教えており、祥太やゆりに万引きをさせています。
※注意:以下作品の重要な箇所に触れている場合があります
本名は、榎勝太。初枝の本当の息子である「治」になりすまし、一緒に暮らしています。
信代が以前勤めていたお店の客で、信代が夫からDVを受けていることを知り、信代の夫を殺害し死体を埋めた過去があります。
祥太は本当の息子ではなく、松戸のパチンコ店の駐車場で車の中に置き去りにされていた赤ん坊を拾い、自分の名前である勝太になぞらえて「祥太」と名付け自分の子供として育てたのでした。
祥太から「父ちゃん」と呼ばれる日を待っており「家族」というものに強い憧れを持っています。
リリー・フランキーの他の映画出演作は?🎬
『盲獣vs一寸法師』『The焼肉ムービー プルコギ』『ぐるりのこと。』『ボーイズ・オン・ザ・ラン』『モテキ』『凶悪』『そして父になる』『海街diary』『野火』『バクマン。』『恋人たち』『SCOOP!』『聖の青春』『美しい星』『探偵はBARにいる3』『ラプラスの魔女』『万引き家族』『SUNNY 強い気持ち・強い愛』『キネマの神様』『前科者』『余命10年』
柴田 信代 役
安藤 サクラの経歴は?👤
1986年2月18日 日本東京都出身。女優。
俳優・奥田瑛二、エッセイスト・安藤和津の間に次女として生まれる。
奥田瑛二監督作品の2007年『風の外側』で映画デビュー。夫は俳優の柄本佑。
安藤 サクラの役柄は?🍿
柴田家の母で治の妻、信代(のぶよ)を演じています。
クリーニング店のパート従業員。治が連れてきたゆりを一旦はゆりの家に帰そうとするも、ゆりの両親の喧嘩をする声を聞いて、再び柴田家に連れ帰り「りん」と名付けて、可愛がります。
※注意:以下作品の重要な箇所に触れている場合があります
本名は、田辺由布子。初枝の本当の息子の嫁である「信代」になりすまし、一緒に暮らしています。
自分にDVをしていた夫を殺害し死体を埋めた過去がありますが、正当防衛の判決が出ています。子供を産める体ではなく、ネグレクトをする祥太とゆりの本当の母が憎かったかもしれない、と語りました。
安藤 サクラの他の映画出演作は?🎬
『風の外側』『愛のむきだし』『罪とか罰とか』『クヒオ大佐』『スイートリトルライズ』『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』『かぞくのくに』『春を背負って』『0.5ミリ』『百円の恋』『DESTINY 鎌倉ものがたり』『万引き家族』
柴田 祥太 役
城 桧吏の経歴は?👤
2006年9月6日 日本東京都出身。俳優・歌手。
7歳の時にスカウトされ芸能界へ。STA*Mの元メンバー。その後ドラマ『僕だけがいない街』映画『となりの怪物くん』で子役として活躍。
城 桧吏の役柄は?🍿
柴田家の長男、祥太(しょうた)を演じています。
治と信代の息子。「お店にあるものは、まだ誰のものでもない」「学校は勉強ができないヤツが行くところ」と治から教わっており、学校にも行かず万引きをして生活しています。
りんにも万引きの手伝いをさせることや、亡くなった初枝のへそくりを見つけ喜ぶ治たちに徐々に違和感を覚え始めます。
※注意:以下作品の重要な箇所に触れている場合があります
本名は、不明。治と信代は本当の両親ではなく、松戸のパチンコ店の駐車場で車の中に置き去りにされていた赤ん坊を拾われた子供でした。
城 桧吏の他の映画出演作は?🎬
『となりの怪物くん』『万引き家族』『約束のネバーランド』『都会のトム&ソーヤ』『HOKUSAI』『GHOSTBOOK おばけずかん』
柴田 初枝 役
樹木 希林の経歴は?👤
1943年1月15日 東京府東京市神田区出身-2018年9月15日(75歳没)。女優。
1961年、文学座一期生として付属演劇研究所に入る。女優活動をしつつ、杉村春子の付け人に。1964年ドラマ『七人の孫』で一躍有名に。
夫は歌詞の内田裕也。
樹木 希林の役柄は?🍿
治の母、初枝(はつえ)を演じています。
年金受給者。夫とは離婚。
亜紀の様子が少しでも違うと一目で見抜いたり、柴田家にやって来たゆりやを可愛がっています。一方で、パチンコ店で他のお客のドル箱を盗む姿も見せます。
※注意:以下作品の重要な箇所に触れている場合があります
本当の息子夫婦(治と信代)は博多に住んでおり疎遠となっていることが、柴田家に様子を見に来た民生委員の言葉で分かりました。
元夫は不倫し女性と駆け落ち婚。元夫と後妻の息子夫婦の家に月命日に訪れ、お金を受け取っています。
樹木 希林の他の映画出演作は?🎬
『夢千代日記』 『命』 『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』『歩いても 歩いても』『悪人』 『わが母の記』 『あん』 『万引き家族』 『日日是好日』『命みじかし、恋せよ乙女』
柴田 亜紀 役
松岡 茉優の経歴は?👤
1995年2月16日 日本東京都出身。女優・タレント。
8歳の時、妹がスカウトされ妹の面接時に面接官にスカウトされ事務所へ。2008年『おはスタ』に出演し、おはガールとしてデビュー。
松岡 茉優の役柄は?🍿
信代の妹、亜紀(あき)を演じています。
JK見学店勤務。源氏名は、さやか。常連客である「4番さん」と自分が少し似ていることで親しくなっていきます。おばあちゃん大好きっ子。亜紀だけは家にお金を入れなくて良いと初枝の権限で決まっています。
※注意:以下作品の重要な箇所に触れている場合があります
信代の元夫と後妻の息子夫婦の娘でした。初枝とは血縁関係はないものの、柴田家の中では唯一初枝と繋がりがある人物となっています。
部屋に飾られていた写真から、平成24年に女子校を卒業し現在24歳位なのかと分かります。家に居場所を見出せず、妹である「さやか」に深いコンプレックスを抱いています。家出し柴田家に転がりこんでいました。表向きでは、オーストラリアに行っていることになっています。
松岡 茉優の他の映画出演作は?🎬
『ボディ・ジャック』『愛のむきだし』『ポテチ』『桐島、部活やめるってよ』『悪の教典』『映画 鈴木先生』『リトル・フォレスト』『ちはやふる』シリーズ『勝手にふるえてろ』『万引き家族』『蜜蜂と遠雷』『騙し絵の牙』
ゆり/りん 役
佐々木 みゆの経歴は?👤
2011年6月21日 日本東京都出身。子役。
2018年、映画「万引き家族」で注目を浴びる。
佐々木 みゆの役柄は?🍿
柴田家の長女、ゆり/りんを演じています。
本名は、北条じゅり。
寒い中外に出されているところを、治と祥太に見つけられ柴田家へ。両親からは虐待を受けており、身体中に傷があります。本人が「じゅり」と名乗ったのを聞き間違えて「ゆり」になり、テレビでじゅりのことが報道され始めてから周囲にバレないように「りん」となりました。
佐々木 みゆの他の映画出演作は?🎬
『万引き家族』『癒しのこころみ〜自分を好きになる方法〜』『いのちの停車場』『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』
本当の家族
亜紀の本当の家族
柴田 譲 役
緒形 直人 (Naoto Ogata)
亜紀の本当の父親。初枝の元夫と後妻との間の子。
すでに他界した父と母が駆け落ち婚したことに負い目を感じ、月命日に家に訪れる初枝にお金を渡しています。
柴田 葉子 役
森口 瑤子 ( Yoko Moriguchi )
亜紀の本当の母親。
月命日に訪れる初枝をよく思っていません。
柴田 さやか 役
蒔田 彩珠 ( Ajyu Makita )
亜紀の本当の妹。高校2年生。
部活動に励む明るい女の子。ロールキャベツは、ホワイトソース派。
ゆりの本当の家族
北条 保 役
山田 裕貴 ( Yuki Yamada )
ゆりの本当の父。
妻の希とゆりに対してDVをしています。
北条 希 役
片山 萌美 ( Moemi Katayama )
ゆりの本当の母。
夫の保からDVを受けており、ゆりに対してはネグレクトをしています。
その他の人物
4番さん 役
池松 壮亮の経歴は?👤
1990年7月9日 日本福岡県福岡市出身。俳優。
10歳の時、『ライオン・キング』のヤングシンバ役でデビュー。2003年、ハリウッド映画『ラスト サムライ』で注目を浴びる。
姉は元劇団四季の女優池松日佳。
池松 壮亮の役柄は?🍿
JK見学店勤務の常連客、4番さんを演じています。
亜紀が勤務する性風俗店の常連客。発話障害があり、亜紀とは筆談でコミュニケーションを取っています。自分を自分で殴った手の傷を見て、自分も同じことをしたことがあると言った亜紀に抱きしめられ涙します。
池松 壮亮の他の映画出演作は?🎬
『ラスト サムライ』『鉄人28号』『夜のピクニック』『半分の月がのぼる空』 『愛の渦』『ぼくたちの家族』『春を背負って』『紙の月』『セトウツミ』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』『散り椿』『斬、』『宮本から君へ』『シン・仮面ライダー』
柴田家の職場・お店の人々
日雇い派遣の管理者 役
毎熊 克哉 ( Maiguma Katsuya )
治の日雇い労働の管理者。正社員。
仕事中に怪我を負った治を自宅まで送ってあげた男性。
米山 役
井上 肇( Hajime Inoue )
民生委員。
初枝の様子を見に来る男性。
クリーニング店 店主 役
清水 一彰 ( Kazuaki Shimizu )
信代が勤務するクリーニング店の店主。
信代と根岸にどちらか辞めてもらえないか打診する男性。
根岸 三都江 役
松岡 依都美 ( Izumi Matsuoka )
信代が勤務するクリーニング店の仲良しの同僚。
信代のことを慕い仲良しだが、リストラをかけて揉める女性。
山戸 頼次 役
柄本 明 ( Akira Enomoto )
翔太が万引きをする駄菓子屋の店主。
翔太が万引きをしていることを黙認するも「妹にはさせるなよ」と祥太を嗜める男性。
JK見学店 店長 役
黒田 大輔 (Daisuke Kuroda)
亜紀が勤務するJK見学店の店長。
警察
前園 巧 役
高良 健吾 ( Kengo Koura )
警察官。
宮部 希衣 役
池脇 千鶴 ( Chizuru Ikewaki )
警察官。
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是枝 裕和 監督について
1962年6月6日出身。
映画監督・脚本家・テレビドキュメンタリー演出家。
9歳から清瀬市の清瀬旭が丘団地で過ごし、映画好きの母の影響で幼い頃から様々な映画を鑑賞。
1987年、番組制作会社テレビマンユニオンへ入社。1995年、『幻の光』で映画監督デビューしオゼッラ賞を受賞。人々の暮らしに寄り添う作品で、国内外から高い評価を得ている。
是枝 裕和 監督の他の作品は?
『幻の光( 1995 )』
『ワンダフルライフ( 1999 )』
『DISTANCE( 2001 )』
『誰も知らない( 2004 )』
『花よりもなほ( 2006 )』
『歩いても 歩いても( 2008 )』
『大丈夫であるように -Cocco 終らない旅-( 2008 )』
『空気人形( 2009 )』
『奇跡( 2011 )』
『そして父になる( 2013 )』
『海街diary( 2015 )』
『海よりもまだ深く( 2016 )』
『三度目の殺人( 2017 )』
『万引き家族( 2018 )』
『真実( 2019 )』
『ベイビー・ブローカー( 2022 )』