夏のフィンランド・ヘルシンキ、
それぞれの心が少しずつほどけていく。
夏のヘルシンキの空気が心地よく、
観た後にはなんだか元気をもらえる作品となっています。
そんな映画、「かもめ食堂」について、
イラストで分かりやすく紹介します!
Contents
基本情報 & あらすじ
あらすじ_
サチエ(小林聡美)はヘルシンキで“かもめ食堂”を始めたものの客はゼロ。
ある日彼女は最初の客で日本かぶれの青年トンミ(ヤルッコ・ニエミ)にガッチャマンの歌詞を教えてくれと言われるが、出だししか思い出せない。彼女は偶然本屋でミドリ(片桐はいり)を見かけ……。出典元
登場人物 & 相関図
ボーイ
こぼれ話 & ネタバレ感想
個性的で自然体で素敵な3人でしたね。
小林さんともたいさんは、1988年のドラマ『やっぱり猫が好き』以来よく一緒に出演しています。
その他に、フードスタイリストの飯島奈美さんや、写真家の高橋ヨーコさんなど、かもめ食堂の”色”に合う方が関わっています。
飯島さんは独立して担当したパスコ「超熟」のCMに出演していた小林さんに、この映画に誘ってもらったそうです。映画『めがね』『南極料理人』『海街diary』やドラマ『ごちそうさん』『深夜食堂』『パンとスープとネコ日和』など数々のフードスタイリングを担当しています。
食べ物の映像にこの方有り!という存在です。
静かな感動があった後の、ラストで流れる井上揚水さんの「クレイジーラブ」。
これがまた映画に愛おしさを加えてくれています。
実はボク、色々な場所を旅していたことがあって、旅先で感じる空気にとても近いのです。
2人が出会う偶然やミドリがちょっとお手伝いをするところは、不思議と旅先ではよくあることだったりして。なので個人的に、そういったことも思い出してしまって、毎回映画のオープニングから、もう、胸がじぃん…となって涙が出てしまいます。
とにかく全てが愛おしくて、「好きな映画は?」と聞かれて1番最初に挙げる映画が実はこの映画です。
気持ち的にリセットをしたい時、何かの節目に必ず観る作品です。
出演者一覧
サチエ役
小林聡美の経歴は?👤
1965年5月24日東京都葛飾区出身。女優・エッセイスト。
1979年、中学2年時に『3年B組金八先生』のオーディションに合格し、生徒役でデビュー。
小林聡美の役柄は?🍿
ヘルシンキで”かもめ食堂”を営む、サチエを演じています。
「どうしてここで食堂を?」というマサコの質問に「かっこいい男性と知り合いたくて。なんちゃって!」と言ったり、マサコが帰国してしまうかもしれないと寂しがるミドリに対して「ずっと同じではいられないものですよね」とサラリと言ったり、どこかひょうひょうとしていています。でもしっかりと自立した女性でした。”美味しそうにごはんを食べる太った人に弱い”らしい。
ボクの中で、小林さんはサチエのようなイメージです。私生活は小林さん曰く”とても地味な生活をしている”とのこと。
小林聡美の他の映画出演作は?🎬
『転校生』『理由』『めがね』『ブール』『マザーウォーター』『東京オアシス』『紙の月』
ミドリ役
片桐はいりの経歴は?👤
1963年1月18日東京都大田区出身。女優・時々もぎり嬢。
成蹊大学文学部日本文学科在学中、映画館・銀座文化劇場でもぎりのアルバイトをしながら劇団「ブリキの自発団」に入団。
片桐はいりの役柄は?🍿
世界地図を指差してヘルシンキにやって来た女性、ミドリを演じています。
口癖は「ねぇ、知ってました?」で、しばしば豆知識を教えてくれます。ガッチャマンの歌詞を全て知っており、驚きながらもサチエに歌詞を教えてあげる親切心を持っています。泣いたり驚いたり拗ねたり、この3人の中で1番感情が表に出てくるタイプでした。
フィンランドに来た初めの頃は、ぎゅっとカバンを握ったまま買い物をしていましたが、徐々に生活に慣れて自転車に乗ったり、トナカイの肉を買いに行ったり、オープンになっていく姿が良いなぁと思いました。そして名前の通り、身につけているものがミドリ色ということも可愛いですね!
片桐さんは何冊かエッセイを出されていて、かもめ食堂のことも書かれている「わたしのマトカ」やグアテマラでスペイン語学校を開いている弟さんなどについて書かれた「グアテマラの弟」など、思わずフフッと笑ってしまうような内容となっています。ちなみに、食べることが大好きだそうです。
片桐はいりの他の映画出演作は?🎬
『片桐はいり4倍速』『非女子図鑑』『小野寺の弟・小野寺の姉』
マサコ役
もたいまさこの経歴は?👤
1952年10月17日東京都渋谷区出身。女優。
1979年、渡辺えりらと「劇団3○○(さんじゅうまる)」を結成。独特のキャラクターで注目を集める。
もたいまさこの役柄は?🍿
ご両親の介護を終えフィンランドにやってきた女性、マサコを演じています。
最年長ということもあり、どこか悟りを開いているような、何を考えているのか分からない不思議な役どころでした。きっとミドリとは正反対なタイプですね!フィンランド語は話せませんが、なぜだか意思疎通ができてしまうすごい人!
そしてマリメッコのワンピースが妙に似合っていましたね!
もたいまさこの他の映画出演作は?🎬
『双生児』『バーバー吉野』『ネコナデ』『プール』『めがね』『ALWAYS 三丁目の夕日』『それでもボクはやってない』
マサコに預けられる猫役
もたいまさこさんの飼い猫ちゃんだそうです。
残念ながら亡くなってしまったようです。
トンミヒルトネン役
ヤルッコ・ニエミの経歴は?👤
1984年10月30日フィンランド/トゥースラ出身。俳優。
ヤルッコ・ニエミの役柄は?🍿
“かもめ食堂”のお客様第一号、トンミヒルトネンを演じています。
登場シーンの毎回、日本語のTシャツを着ているところも面白かったですね。ちなみに、1番最初は赤塚不二夫さんのキャクター”ニャロメ”でした。ミドリに自分の名前を漢字で書いて欲しいとお願いし、無事に「豚身昼斗念」と書いてもらい、大感激!
ヤルッコ・ニエミさんは現在も、ドラマや映画でずっとご活躍されているようです。爽やかな好青年な印象だった『かもめ食堂』から数年、現在はもう少しダンディな感じになられています。
ヤルッコ・ニエミの他の映画出演作は?🎬
『Rölli ja kultainen avain』『Love Records-anna mulle Lovee』『Kingi』
マッティ役
マルック・ペルトラの経歴は?👤
1956年7月12日フィンランド/ヘルシンキ出身-2007年12月31日逝去。俳優・歌手。
タンペレ市にあるテラッカ劇場の創立メンバーでもありました。
マルック・ペルトラの役柄は?🍿
コーヒーの淹れ方を教えてくれた謎の男性、マッティ役を演じています。
ふらっと”かもめ食堂”にやって来て、サチエにおいしいコーヒーの淹れ方を教えてくれました。
でも実は”かもめ食堂”の前に、コーヒーが美味しいと評判のカフェを出していた男性でした。忘れたコーヒーミルを取りにお店に忍び込んだところ、合気道を習っていたサチエに捕まえられます。
寡黙な男性を演じていましたが、おにぎりを食べた後、口元についたお米をとって食べたシーンが可愛かったですね。
残念ながらマルック・ペルトラさんは翌年の2007年に、亡くなられてしまいました。マルック・ペルトラさんがきっかけで、他のフィンランド映画を観はじめた方もいたかもしれません。
マルック・ペルトラの他の映画出演作は?🎬
『過去のない男』『ヴァレス-yksityisetsivä』『V2-jäätynytenkeli』
リーサ役
タリア・マルクスの経歴は?👤
1946年1月14日フィンランド/リーヒマキ出身。女優。夫は俳優のPertti Roisko(ペルティ・ロイスコ)。
1960年代と1970年代の変わり目頃から活躍し始める。1967年、ヘルシンキの劇場の創設メンバーの1人となる。
タリア・マルクスの役柄は?🍿
“かもめ食堂”を睨む謎の女性、リーサを演じています。
映画の初めの頃は、アル中でボサボサ髪の怖い女性でしたが後半では綺麗な女性になられていましたね。
ずっとずっと前からご活躍されている女優さんのようです。
タリア・マルクスの他の映画出演作は?🎬
『Ruusujen aika(薔薇の時)』『Punatukka(赤毛)』
『かもめ食堂』は実在する!
ボーイ
1度閉店をされたみたいだけれど、2016年にリニューアルオープンしたんだって!
▼写真は2009年に訪れた時のもの。
店内には”かもめ食堂”のポスターも飾ってありました。
映画とはテーブルの配置などは違っていましたが、地元の人たちで賑わっていました!
お店の情報
Ravintola KAMOME(ラヴィントラかもめ)
住所: Pursimiehenkatu 12, 00150 Helsinki, Finland
WEB: http://www.kamome.fi/
3人がフィンランドに来た理由は原作に!
マミィ
原作を読む
映画とは少し設定が異なっている箇所もありますが、
・サチエがどうしてフィンランドで食堂を営むことになったのか
・お店にお客さんが来なかったけれどお金は大丈夫なのか
・ミドリとマサコはどうしてフィンランドに来たのか
・3人の日本での生活とフィンランドの生活
などが書かれています。
文字が大きめで、さらっと読むことができました!
感想としては、ちょっとうまく行き過ぎかも(?)とも思いますが、映画の裏側を観ているようで楽しめました。
映画『かもめ食堂』をもっと堪能する
DVDでじっくり観る
何かの節目に、何度でも繰り返し観たくなる映画は手元に置いている派です。
映画『かもめ食堂』も例外ではなく、大切に持っていたくなる作品だと思っています。
サウンドトラックを聴く
ボクが映画『かもめ食堂』を好きな理由の1つが、なんと言ってもサントラの素晴らしさなのです!
穏やかなオープニングから始まり、おにぎり試食時のちょっと抜けた音楽、シナモンロールを作る時の愉快な音楽。どれも大好きです!
荻上直子監督について
1972年千葉県生まれ。監督・脚本家。
千葉大学工学部画像工学科卒業後、1994年から2000年まで渡米し、南カリフォルニア大学大学院映画学科で学ぶ。
荻上監督自身は、朝起きれなかったり、料理があまり得意ではないとのことで、映画で描いているのは、”自分のあこがれなんだと思う”と語ってらっしゃいました。
『バーバー吉野(2003)』
『恋は五・七・五!(2005)』
『かもめ食堂 (2006)』
『めがね (2007)』
『トイレット(2010)』
『レンタネコ(2012)』
『彼らが本気で編むときは、(2017)』